■特集 熊野古道・馬越峠とみかんジュースとたま駅長と…
 
 
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 三重県の津を抜けしばらくすると、右側の窓には山が迫り、右側の窓には海が映し出される。
 線路は次第に曲線区間が多くなり、車両は右に左にそれは大きく傾きながら海と山の隙間を縫うようにして進むようになる。

■まずは道の駅海山をめざす

 馬越(まごせ)峠に入るには相賀駅を下車して徒歩で向かう方法と尾鷲駅からバスやタクシーを使って向かう方法があり、簡単だ。でも、その前に食事とトイレ、ペットボトルの水を購入するため、「道の駅海山」にタクシーで向かう。この先、水もなければトイレもないので、まずは準備をする。そのためにここはちょうどいい場所だ。

 タクシーの運転手は無口の人もいれば、話し好きな人もいる。 話し好きな運転手との会話は旅のアクセントとして楽しい。今回のタクシーは楽しい運転手と巡り合わせ。

  紀州の南側となるこの辺りの天気は雨が多い事や昔、高速バスの運転手をやっていたことや…いろいろとお聞きしました。いや、考えて見れば、「当時先鋭のV12エンジンは御殿場の坂を気持ちよく駆け上ったんだよ」など、今回の旅行とは全然関係ない話でしたが(笑)。
▲道の駅に 馬越峠についての記述がありました。
縮小した写真では見ることができないので全文を。

甦る神々のみち 熊野古道 馬越峠

 古来、熊野へ続く道は祈りの道であった。ある者は極楽浄土の来世を夢見て、またある者は心身の悩みの癒しを求めて、一歩一歩石畳を踏みしめていった。「熊野に参るには紀伊路と伊勢路のどれ近し、広大慈悲の道なれば、紀伊も伊勢路も遠からず」 『梁塵秘抄』に唄われたように、熊野三山(熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社)へは、紀伊半島を東からまわる伊勢路(東熊野街道)と、西からまわる紀伊路(中辺路、大辺路)を中心に、中央部の峻険な山地を南下する大峯路、海路(磯辺路)などのルートがあった。ここ馬越峠は、「くまのみち」と呼ばれた熊野街道の一部で、明治以来大正6年までは県道であった。路線が変更されて今は通る人も稀であるが、麓から峠までの約2kmの大部分は、敷石によって路面が舗装されていて、今もほとんど完全に昔の面影をとどめている。敷石は大きく、平らで、現存する石畳道のなかでも端正な表情が際だっており、施工した便ノ山の石工の技術がうかがえる。石は麓から運び上げたものではなく、全て現地調達されたという。石の表面がところどころ白くなっているのは、材木を曳き下ろす際に苔が削りとられたもの。植林により狭まった箇所もあるが、道幅は紀州藩の駕籠にあわせて1間半(約2.7m)を基本としていた。
■アクセスのしやすい伊勢路。馬越(まごせ)峠は秋からが本番

 緯度の低い場所にある紀州の熊野古道は基本的に蒸し暑い。このような景色を楽しむのは夏と想像しやすいが、大峯山のように高い場所を除き、紅葉の秋から春にかけてが散策にちょうどいい気温になります。場所柄まず夏は避けるべきですが、晩春や初秋でも高温多雨のため、気温や湿度が極端に高く、雑巾を絞るように汗が出て乾かない。…いや、実際に絞ったほど。着替えの服を用意し、半袖の季節であれば水は普段より多めに持っていく事をお勧めします。今回(9月中旬)も普段どおり\100-のペットボトル2本分の水を持っていったもののこれだけの短い距離にもかかわらず若干足りなかった位です。

 伊勢路は鉄道沿いにあり、紀伊本線をつかって比較的簡単に計画ができるのが嬉しい。馬越峠はその伊勢路の中でも美しい石畳が続く峠であり、ちょっとだけ熊野古道を楽しむには丁度いい場所。馬越峠は熊野古道の中でも、古道の入り口出口とも駅に近く比較的短い距離の場所で気軽に散策しやすいものの、中身は苔の生した湿度の高いだらだらとした登り/下り石畳のためかなり滑りやすい場所です。路に水が出る場所もあり、特に夜泣き地蔵の付近は晴れが続いていても常に濡れているような状態で、途中断念している方も何組かあったようです。足元は履き慣れたトレッキングシューズ原則でしっかりしておきたいですね。山歩きで侵してはいけないのは足を濡らす事。靴の中に水が入ると足の皮がふやけて簡単に剥け、歩けなくなってしまいます。御注意を。
 あと、ゴミは絶対にナップザックの中に入れる事。ときどきナップザックに吊り下げたり手に持ったりしている人も見かけますが、本人にその気がなくてもどこかに引っかかって落ちたり、忘れたりすればそのまま迷惑なゴミの投げ捨てと同様になります。それに転んだとき危険ですから。

■準山歩きの装備で

 まず、このような場所を散策するのに必要なもの。地元の人は何も持たずさっさと入ってそのまま頂上まで登ってしまうもののやはり山歩き。私の地元千葉の養老渓谷でも何故?と思われる場所でヘリコプターが出動する程の騒ぎが起きています。外から入る私達にとっては予測ができないことが起きても当然と思って持っていくべきです。
 ただ、古道として整備されていることと蒸し暑い場所なので時期によっては半袖にタオルで十分かもしれませんが、最低限長ズボン、トレッキングシューズで挑み、タオルを持ち、ナップザックには着替えのシャツ、長袖、雨合羽、1/25,000地図とペットボトルの水2本(半袖の季節は3本)、カロリーメイトなどの緊急食と絆創膏(足豆・靴擦れの際に使用)と懐中電灯は用意しましょう。この程度ではかさばりませんね。この他は街歩きと同じ。くれぐれも無理はしない事。日が暮れる前には目的地に着く事。山道は光がないためこの程度の軽装で太陽が沈めば目をつぶっているのと同じで身動きは全くとれません。早めの下山を心がけて進みましょう。

■馬越峠入り口

さて、では道の駅海山から鷲毛バス停まで歩いていきます。

鷲毛バス停前の古道入り口は右側の写真。写真は切っていますがこの右側に車道とバス停があります。

 馬越峠の石畳がいつ頃敷設されていたのかは不明。17世紀前半の紀州藩街道で整備されているので遅くてもこの時になるそうです。馬越峠のように整備された石畳は大雨による路面の流失や崩壊を防ぎ、夏草やシダ類の繁茂を抑えて道筋を確保するため。それを感じたのは入った瞬間でした。
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