■特集 熊野古道・馬越峠とみかんジュースとたま駅長と…
 
 
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■わかやま電鉄貴志川線の乗車券

 和歌山まで来た我々はそのまま和歌山電鉄に乗る。旅行者のための切符はこれ。往復の場合、「1日乗車券」のほうが安く済む。記念としても嬉しい切符だ。
 なかなか良く考えられた物で、年・月・日をコインで削ると該当する日付の一日乗車券ができあがる。普通よく見かける1日乗車券は駅の係員が日付を打ったり、スタンプを押したりボールペンで書き込んでから渡す。一枚発行するのに時間がかかる事が多く改札で並ぶ事も多いが、この方法だと見本を置いておき、最悪の場合渡すだけ。下車する前までにお客に削って貰えれば良い。発券の時間短縮で効率化を狙え、はっきりと大きく書かれた日付は不正対策にもなる。間違って削ったら不正無し過去の日付でない限り210円で交換。

 この日付をお客に削らせるやりかたで新しい使い方を考える事が出来る。変な話、この乗車券は日付を削らないまま大量に購入しておき、プレゼントや景品として配る事が出来る。街ぐるみでこの鉄道を応援できる切符になるのだ。この瞬間、ここは凄いアイディアの持ち主がいるものだと関心した。券面裏の右は注意事項、左側は駅名の図。周辺観光地が書かれているため、どの駅で降りればいいのかがだいたい分かる。
■和歌山駅からおもちゃ電車

■和歌山電鐵株式会社のHP
おもちゃ電車・いちご電車の時刻表はこちらから

 和歌山駅から和歌山電鉄に乗り、貴志川まで。「おもちゃ電車」と呼ばれる電車に乗る。デザインがなかなかおもちゃっぽく、綺麗だ。
 「なるほどこのデザインがおもちゃ電車と呼ばれる所以か…。」

 「この程度…」そんな事を考えたのだが、間違いだと気づいたのは車両の中に入った時だった。
 和歌山電鐵は、2006年に業績の悪化した南海電鉄貴志川線を引き継ぎ運営する会社で第三セクター方式ではなく民間企業である岡山電気軌道が出資する100%子会社。

 「日本一心豊かなローカル線になりたい」をキャッチフレーズに 「いちご電車」、「貴志駅のたま駅長」、「おもちゃ電車」など いままでの鉄道会社では、考えられない様な柔軟な発想で様々な試みを行っている会社です。

 現在、走っている車両は、南海電鉄より無償で譲り受けた貴志川線専用車両2270系でカラーリングも南海電鉄時代のまま。

 2006年に登場の「いちご電車」、2007年に登場の「おもちゃ電車」のデザインは、 JR九州の車両デザインで有名な水戸岡鋭治氏によるもので 「いちご電車」は、終点「貴志駅」付近が苺の産地である事から塗装・内装を苺をイメージさせるものに変更し 更には、「一期一会」(イチゴ…)の精神にも引っかけているとのことです。
  「おもちゃ電車」は、地元のおもちゃ通販会社であり「T.J GrosNet」がスポンサーとなり文字通りおもちゃをモチーフに内装もおもちゃの展示棚・ロングシートの座席部分に積み木を連想させるデザインの背もたれや座布団・座席仕切りに木馬・赤ちゃん用の柵・つり革・車両連結部分などあらゆる箇所に徹底したデザインを取り入れております。
  驚くべき箇所は、終点「貴志駅」の駅長・助役は、猫であること駅長「たま」、助役「ちび」・「ミーコ」は、駅利用者に愛されております。(やなせ)
 …す、凄い。

 車両の中は駅前一等地。そこにおもちゃ屋があるのと同じ雰囲気だ。(暖簾にはSHOPと書かれているが実際の店ではない。)この時ちょうど子供達の下校時刻に近かったせいか、カバンを座席に置き、喜び勇んでガチャポン(ガチャガチャ?)に興ずる様は、見ていてほほえましくなる程だ。
 親と一緒に来る幼稚園位の子供は、左上の座席に座っている子供をよ〜く見ればわかる通り。木馬に座っていますよね。
 親が隣に座れるような、そんな「子供のための専用席」が用意されている。おもちゃに囲まれ、子供達が高揚されるようなデザインもなかなか面白い、よく考えられた電車です。

 鉄道を思いつくとき普段なら移動の手段として親が子供を連れて乗車するもの。しかし、子供達はこの電車に乗りたいとばかりに引っ張るでしょう。ここでは子供が親を連れてくる鉄道になっている。地方鉄道の集客力として自家用車と十分に争える鉄道になっているのかもしれない。
※おもちゃ電車のサポーターであるT.J GrosNetが、民事再生法の適用(2008.04.15)を受け、資産保全処分の決定。負債は40億。ネット上に和歌山電鐵からの正式な文章は見当たりませんが、地元のニュースによるとおもちゃ電車を続けてゆくとの意思は出しているようですので、暫くの間はおもちゃ電車を楽しめそうです。ただ法律上このあたりは微妙なところの筈で、私たち旅行者からも債権者や管財人の方には憂慮をお願いしたいところです。

■貴志駅に到着

 貴志駅で「たま駅長」がお出迎え。(※注 日曜日は休み)
 最初は駅長の帽子をかぶっていた。おお、嫌がらないんだ。凄いネコだな…と思っていた。

  が、いつの間にか投げ捨て。まあ、猫だしね。

 この時は、何処から来たか別の野良猫を警戒している様子だった。にゃぁにゃぁ〜と、ねこパンチを炸裂させながら時々戦っている。たま駅長の座もなかなか厳しい世の中か?

  住民に可愛がられ、例外無しに誰もが電車に乗る前に一撫でしていく人気者だったことから正式に駅長として迎え、着任式ではわかやま鉄道の社長が来て執り行われている、正真正銘の駅長だ。撫でられても嫌がらず、触る事がここを通す条件のようなその態度は見ているこちらが「にんまり」してしまう。
 一応繋がれているが、これは脱走して駅長を放棄することがないようにと、あと、事故にあわないよう心配しているのだとか。聞いた話、前科があるとか…あるとか…。
 下の写真は助役の「ちび」と駅長の母「ミーコ」。いずれも無人駅の貴志駅に住みついた野良猫だった。

その後、たま駅長は就任以来1年でお客様を7%以上増やしたとのことで、2008年1月に課長職であるスーパー駅長へと特別昇格。将来は社長を狙っているとかいないとか…。参考→http://www.ryobi.gr.jp/message/message0801_2.html (2008.4.1追記) また、2008.4.20 には駅の窓口を改造した「たま駅長専用の駅長室」ができたそうです。(2008.4.20追記)

■帰宅へ

さて、たま駅長も拝んだ事だし、帰りますか。

この先、同じ経路を戻り、和歌山駅から新大阪経由で帰宅です。あ〜っ、通天閣あたりで串揚げを食べる予定も遅延のため叶わず。新大阪構内で夕食後、予定の新幹線で帰ることになりました。よって今回はここでおしまいっ。
2007.10.28 ほよよん。コラム文章内はやなせ。
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