特集 沖縄本島もうひとつの旅
 
 
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■チェックアウト

2日目の予定は結構詰まっている。一日目は沖縄の北側、長距離で殆ど車に乗っているような旅行だったが、一転二日目は南側。短い距離で目的地の数も多い。自然を感じる一日目とは逆に人を感じる二日目として考えている。

予定ではチェックアウトが7時半。なんとこの時8時半。やっぱり起きられなかった。しかも朝起きてから朝食までだらだらと過ごしていたので当たり前な話だが。二日目はいきなり一時間の遅れだ。まあ、距離も短いしそれぞれの場所で少しずつ時間を削っていけばどうにかなるだろう。

■海軍司令部壕
そんな事を考えながら海軍司令部壕に向かう。同乗者の一人から今回の旅行に「ひめゆりの塔」を組み込んで欲しいと言われ、それならばという事でこの「海軍司令部壕」も組み込んだのだ。個人的に言わせて貰うと「ひめゆりの塔」の資料館にある資料は多くしっかりしているが、あまりにも教科書的でオブラートに包んだようで納得ができない。あれは映画を見た人が感動して行くのにはいいかもしれないが、やはり体験に近い形で全体像を知る必要はあると思う。
 細かな話は「ひめゆりの塔」にある資料室で見ることにして、まずはこの壕を体験するといい。
 この海軍壕の手前に資料室があって、この資料室で歴史を見てから入る。沖縄戦当時の日本の新聞とアメリカの新聞を比較し分かりやすく展示されている。 海軍壕は司令部としてあった壕なので中でも立派な壕だが、沖縄にはこの他にも沢山の壕があって、その時の話、写真を総合するといろいろな事を想像させられる。
展示室から奥に入ると狭く暗い階段が続く。

 沖縄で一番に思いつくのが、青い海と白い砂。観光のイメージがある。しかし、時代を紐解けば日本国内で軍民一体となって地上戦が行われた地でもある。当時は学校から学徒という形で男子は戦場に、女子は救護班として「兵隊さんが頑張っているのだから」と夜も寝ずに救護にあたっていたのだそうだ。 1945年4月1日、米軍は読谷村渡具地に上陸。民間を含む日本軍は南北に分断。当時の新聞は日本軍優勢と書かれていたものの、裏腹に米軍の圧倒的な総攻撃に、その殆どが日に日に南部に追い込まれていった。
 この場所は海軍壕なので立派だが、殆どの壕は暗く身長あるかないかの背丈の狭い壕の中で、有事の際には死傷者で足の踏み場がなかったと言う。劣悪な環境に腐った体からは蛆がわき、外に出しても出しても死体が尽きることはなかったそうだ。最後、敵に囲まれれば外に出ることは叶わず、追い詰められ自決を選択する者もいた。

このような中で腐敗臭や累々とした死傷者を目にすると、とても平然ではいられないだろう。負けたら自分の居る場所はない、生きる価値はない、あれだけ殺されて一緒に戦ってしまった者が生き延びられる筈がない。捕まれば殺される。死ぬまで強制労働だと教えられた学徒が、この惨劇にしかも外に出れば殺されるのは明らかといった中、明らかな戦力の差に南の壕へと撤退を続け、6月18日「解散命令」を受けた。沖縄戦敗戦である。

●海軍壕
海軍司令部壕。ここの資料をまず見てから。
●ひめゆりの塔
映画でよく知られるあの塔
●慶座絶壁
喜屋武岬の東にある眺望の良い場所
■ひめゆりの塔

  戦いが終わっても心に残ったその言葉は消えるはずもなく、敵に捕まるのを恐れ、ある者は手榴弾を持ち自決し、ある者は崖から身を投げたという。責任の所在の前に、海軍壕とひめゆりの塔にある資料を見れば、その行動は至極当たり前のものだったと感じる。
 その学徒の一つとしてひめゆり学徒があったのだ。だから悲劇は「ひめゆり学徒」だけではない。「ひめゆりの塔」のこれはそのほんの一つ、一握りの話である事は間違えてはいけない。

この場所には大きな縦穴があり、その下から横穴が延びていて此処を壕にしていたのだそうだ。ちなみにの白いひめゆりの塔は新しく作られたもので、最初の塔はこの写真右下の小さな石に見えるものなのだ。

 どうでもいい事だが、こちらのひめゆりの塔は見事に観光地になっているため駐車場の呼び込みは凄い。

■慶座絶壁(キーザバンタ)

 そのような状況で戦後身を投げた崖というと、よく知られるのが沖縄本島の南端となる喜屋武岬だが、実のところは崖という崖から実を投げたという話も聞く。この場所もその一つかもしれない。

 この慶座絶壁は喜屋武岬からすぐ東にあり、一番下までは降りられず整備されてはいないものの、景色がよく観光客が少ない事も手伝って選んだ南側の絶壁だ。一番上からの眺めではなく、一番下からの眺めではなく、中程からの眺めになる。
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