特集 アトラスタウン〜特集・ストーブ列車と海底駅、函館の旅
 
■五所川原駅

 JR五所川原の左隣が津軽鉄道の五所川原駅。特徴のある車両は、遠くからでも確認できる。探す必要の無い程だ。駅の入口は左側の狭い扉から。ただ、ちょっと奥まっているのでそこに関しては間違えてしまいそう。
 その入口を入るとこの写真の場所となる。ここで往復切符を購入する。それは懐かしい「硬券」しかも「3等」の記述もあった。表側左右に日付、裏側に4桁の番号が刻まれる。切符はお願いして頂くことにしましたが、やはりこれは実際に行って体験してほしいな…と、いうのもあって今回この切符の写真は割愛っ。

 五所川原駅の空は厚い雲に覆われ、風が寒い。時折さらさらと雪もちらつく。ストーブ列車にとってはうってつけの舞台となった。
ストーブ列車 津軽鉄道を往復する

 客車は2両。その片方は団体用として使われる。今回はストーブ列車の期間が始まってすぐだったこともあり、団体客はいなかったが、ツアー受け入れの時期にはかなり賑わうそうだ。ツアーであればあたりまえのように簡単体験することが出来るが、実際ストーブ列車はその運転開始日、運転時刻が毎年同じというものではないため、その計画には注意が必要なようだ。今回も津軽鉄道に電話で運転日と運転時刻の確認をとっている。それも数度…。

 いよいよ発車。車内に入る。ストーブは1車両に2台。既に小さな火が入っており、車掌が火の確認をしながら石炭を入れていた。脇にあるストーブから中央の天井に煙突が延び、まだ火力が弱いその隙間からは小さいもののちらちらと赤い炎が見える。ストーブの上には車内で意気投合した親父さんの大きなスルメが鎮座していた。

 しばらくすると暖かくなってきたストーブからスルメを炙ったいい香りが漂うではないか。その香りを嗅ぐだけで自然と唾液がたまってゆくのがわかる。イカの足が曲がりいい頃合になると、その主人は「皆さんどうぞ、食べて!!」の声とともに振る舞いはじめる。勿論私達もご相伴にお与りする。これが実に美味しい。炙ったスルメをかじっていると日本酒が欲しくなる…。が、この後レンタカーで帰ることを考えるとやはり飲めない。ここはジュースで我慢我慢…。
  気が付くとストーブを囲んで旅の話で盛り上がっていた。お互いストーブの前に居るというほんのちょっとしたきっかけだけで気持ちが一緒になれるのは嬉しい。ストーブは周りを暖めるだけではなく、人の心を近づけるものでもあるのだろう。

 途中で、他の席の方からイベントでやっているんですか?…とか、お仲間なのでしょうか?…とか聞かれたりもしましたが、お互い知らない者同士、単なる旅行者です。ハイ。

 雲の厚い外のせいか、室内の明かりそのもののせいか、車内はかなり暗く感じる。しかしストーブは暖かく、それを囲む人達は笑顔で明るい。一緒に楽しく肩を組んだ写真や盛り上がった写真もあって、そんな写真もココに載せたいものの、おもいっきり顔も出ているし…そんな訳で自粛。

 程よく温まり、あのスルメの香りが車内を充満してくる。あちら側のストーブ周辺の方に申し訳ないな〜と感じふと見れば、向こうでもスルメを焼いているではないか。皆考えることは一緒か??

 途中駅で普段走る車両と入れ替え(左)。その右側には面白い車両が(^m^)。 そう、これ知ってます?(右)。知っている人は多いですよね、きっと。

車掌さんが時折やってきてはストーブに石炭をくべていきます。ストーブの火力も強くなってきました。

 それはそうと、ストーブ列車の車両はかなり老朽化しています。この車両を動かせなくなると、新たにストーブ列車に改造することの出来る車両が存在するのか、またその費用などを考えると将来続けていける物なのか疑問が残るところです。体験をしたければ今のうち、早めに乗車をすることをオススメしたいですね。
■終点・津軽中里へ

 終点、津軽中里に到着すると空は見事に晴れていた。太陽が暖かい。 先頭に接続されていた機関車は切り離され、逆側に接続される。

 しかし、この天気の変化は感心するほど。 青森では霙(ミゾレ)五所川原では雪、津軽中里では晴、この先の事を言ってしまえば、また戻って五所川原に着いた時1cmくらいの雹(ヒョウ)、暫くすると雪が降るといったもの。天気はどうだったと聞かれれば、一言では言い表わせないと答えてしまいそうだ。

 機関車の入れ替えが行われていた。今度は逆方向になるこちら側に連結され、五所川原まで雪の中へと列車は戻ってゆく。

 そして、定刻に発車。

 津軽中里駅を発車すると、駅構内からお別れの手を振っているではありませんか。ほんのちょっとした事かもしれませんが、これがなかなか嬉しいものです。ストーブを囲む皆は、その姿を見て「よかったね。うれしいね。」と予期せぬ好意に感動していました。こういった事も是非続けてほしいものです。
 
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