■特集  熊野古道・馬越峠とみかんジュースとたま駅長と…
 
熊野古道を歩いて見たい。そんな気分から周辺を調べれば結構ありました。今回はちょっと変った旅行ということで、普段それだけのために行かないであろう場所を繋いで、紀州半島一周を計画。
 
[計画] [馬越峠入り口] [尾鷲・熊野古道伊勢路馬越峠] [紀伊勝浦・夕食] [御坊・AIRの1シーン] [湯浅・とれたてみったん] [和歌山・おもちゃ電車とたま駅長]
 その始まりは「熊野古道を歩いてみたい。」の言葉から。そこまで行くのであれば、他の場所も見てみたいねとあれやこれやと検討してみた結果、決定しました。東京から名古屋を経由して尾鷲、紀伊勝浦、御坊、湯浅、和歌山と立ち寄り、新大阪から東京まで戻る旅。中身はと言えば闇鍋仕様、やなせ氏とほよよん二人の「やじきた道中」が炸裂しました。

 まずはやなせ氏御得意の途中下車切符で、A.地元駅から米原までと、B.米原から名古屋まで、C.名古屋から紀伊勝浦を通って新大阪・東京経由して地元駅までの3つの乗車券(私鉄を除く)と各特急/急行券のセット。私鉄JR宿泊込みの交通費合計金額は今回\43,400-と少々高めなものの、その場所柄、格安切符を使用しない方法としてはよくできたもの。
 今回の行程は右の地図の場所に寄る事に。まず尾鷲で熊野古道・伊勢路の石畳道を歩き、まぐろとくじらの街・紀伊勝浦で夕食、そして宿泊をし、翌日御坊でAIRの1シーンを見て回り、湯浅でみかんジュースを購入して飲み、和歌山ではおもちゃ電車を見て、終点貴志駅でたま駅長に会う計画だ。

 さて、こんな所でネタばらしをすると、きっと同行したやなせ氏ですら知らないで計画しただろう筈だが、TVをはじめ熊野古道の名でよく紹介されるのが熊野大宮大社に続く3つの道。東側の熊野からのコースと、南側の熊野那智大社からのコース、そして西側田辺から入るコースがある。しかし、熊野古道と呼ばれる古道はこれだけではなく、東は三重県伊勢にある伊勢神宮からのコース(伊勢路)、北側からは奈良県の吉野山から(大峯奥駈道)や高野山から(小辺道)、西側は大阪からのコース(紀伊路)などが多数発見されている。そのため、今回選んだ全ての場所は無関係のように見えて実は全て熊野古道と関連している。時間があれば足を伸ばして近くの古道を見て楽しむのもいい。

 さて、東京駅を23:00定刻に発車した銀河。既にビールと食事と終え、目隠しと耳栓をしてすぐに寝入ったのだが、夜行寝台にしては今回珍しく深い睡眠につけたものだと満足した気分になっていた。カタコトと小気味良い音を聞きながら早朝を迎える。05:40だ。時刻から見て、もうまもなく「米原」だろう。もうそろそろ下車の用意をしなければ…
 そんな思いで流れる景色を見ながら朝を迎える。しかし、次の瞬間、目に飛び込んできたのは名鉄カラーの電車と見覚えのあるツインタワーだった。

…いや、違う。ここは「名古屋」だ。

 よく寝たと感じたのは、何処かで長い間停車していたからであろう。深夜に見た浜松あたりまでは順調だったものの、そこから遅れはじめ、途中の名古屋で5:45分。既に予定している米原に着いていなければならない時刻になっていた。 寝台急行銀河は名古屋には止まらない。次の停車駅は岐阜だ。最初から計画を変更、名古屋駅に入った時点で「米原駅下車を諦め、名古屋に向かう事を優先。このため次の岐阜駅で下車する」と決めた。

 予定駅の手前となる「岐阜駅」で途中下車。左の写真、時計は6時を指しているが、その発車時刻は5:01を表示している。遅延時の面白い表示になっている。
 さて、ここで米原に向かわず、名古屋方面に向かえば遅れた分が全て解消されることになる。 慌てず騒がず30分程待ち、折り返しの快速に乗り、名古屋に戻る。
東京-大阪間を繋ぐ寝台急行銀河も2008年3月14日で終了となりました。

車両軽量化が謳われる昨今、古い車両が減っていくのも理解できますが、銀河のように終了といった形で昔からのカラーリングのブルートレインの雄姿を見られなくなって行くのはとても残念に感じます。この銀河は23:00発と、東京に遅くまで滞在して大阪までという方にはとてもありがたい存在だったのでしょうが、時代の流れなのでしょうか、インターネットで検索してみれば、20年で乗車率が8割から4割になったという記事も見つかる程で、今ではその選択は夜行の高速バスか、或いはビジネスホテルに一泊して朝一の新幹線や飛行機が一般化しているようです。
さて、この旅行では岐阜に向かう目的で銀河を使っていましたが、そこまで行ってしまうとその後8:00迄に名古屋へ到着する計画は無理があり諦めたほうがよさそうです。
東京周辺出発、目的地が名古屋とすると2008年3月15日からは「ムーンライトながら」大垣行きか東京駅八重洲南口発の「夜行高速バス」、もしくは翌日朝一・二番の新幹線に辿り着ければ選択肢に入りますが、条件が厳しかったり体力的にちょっと大変になります。名古屋駅に08:00迄に着く中で楽な方法を探すのは結構悩みどころです。 (2008.3.14追記)
 名古屋に到着したのは06:45。遅延の発生で逆に米原まで行く本来の予定より30分早く到着した事になる。朝の余裕がかなりできたので改札から出て、朝食ができそうな所を探す。

 名古屋駅中央改札を出たところの店で一休み。ベーグルとコーヒーを注文。早朝からやっているお店があったのは嬉しい。米原に行くのをやめたため1時間以上のゆっくりとした朝食となった。

 一休みした後、特急南紀1号で尾鷲に向かう。
 
馬越峠入り口へ
[計画] [馬越峠入り口] [尾鷲・熊野古道伊勢路馬越峠] [紀伊勝浦・夕食] [御坊・AIRの1シーン] [湯浅・とれたてみったん] [和歌山・おもちゃ電車とたま駅長]
 
■運行の遅延とスケジュールの調整
 ここに書く事は旅行の達人には全く関係ない話だけど、慣れていない人のために。
 何かトラブルがあったり、時間がずれたりして予定が崩れ、イライラしてしまう人のためにアドバイスです。

 今回は計画よりも、遅延などによる実際の行動とのずれによる修正が大きかったので、下に計画と実際の行動を比較してみました。旅行中の遅延は当たり前にあるようなもので、そのような対策はお互いに話し合っています。ずっと昔の話、高知への道中の際は台風による影響で東京発の寝台が運休という事態を受けながらスケジュールを戻しているので、今回の遅延程度では二人とも焦らず。どうする(=どこを削る)?の言葉でお互いの考えを調整をする程度でした…。そんな遅延に強い計画の立て方は、

○計画時
1.行きたい場所をランク付けしておこう。
2.時間が足りなくて行けない-付近の徒歩やタクシーで行けそうな、そんな場所も行けるようチェックはしておくべし。
2.途中に休憩(食事等)の時間をはさむべし。
3.絶対に逃せない帰りの新幹線や航空機乗車前には2時間弱程度の食事(休憩)時間を設ける。食事の前に全員でアラームセットする事。ミスを防ぐためにも最後のカウントダウンは全員で。
4.普段の道は1km15分でも、見て歩くとその2倍、歩きながら写真を撮ると最低3倍の時間が必要。寄り道や撮影の時間も忘れずに。

○その場では
1.他人の書いたペースは参考程度に。自分達のペース配分を確認しながら行き先を勘案すべし。
2.計画を前倒しで進めていこう。飽きてきたらすぐに次の場所へ。時間が余れば計画していた別の場所も追加しよう。
3.場所が気に入り、長居したくなればいっその事、後に行く場所を削ってしまおう。楽しいと思えば臨機応変も大事。「遅れる」のではなく「遅らせる」といった心の余裕は大きい。

○実際に遅延したら
1.乗り遅れや遅延が発生したらJRや私鉄の特急/急行や、(高速)バス・タクシー・レンタカー・モノレール・船・徒歩など別ルートでの代替ができないか調べるべし。
2.悩んでいる時間があれば出来るところまでさっさと行動しよう。休憩や食事をするなり計画を変更するなり、早いほうが断然お得。
3.多少であればまず食事時間を削る。駅弁は移動中に食事するのにも嬉しいアイテム。
4.エキナカや駅ビル内で代替できそうであれば、移動時間の短縮を理由にそれも考えてみる。
5.それでもだめならランクの低い場所を削り、最後に辿り着けることを念頭に時間配分を調整しよう。
※ どうしてもダメなら諦める。怒っても泣いても状況はかわらない。逆に時間が余るようになれば先に用意していた別の場所も考えてみよう。

こんなところだろうか。この他、遅延の影響を減らすには、計画時「都会→観光地」の方に進むのではなく、逆の「観光地→都会」の方向に進むようにすると乗り遅れの際に計画とのずれが広がらないようにする効果がある。鉄道などの本数が増えればそれだけ選択肢が生まれるのがその理由。この旅行も名古屋から紀伊勝浦までは鉄道の本数が少なくなる方向になるので、スケジュール上余裕を持たせている。
 
2007.9.18深夜出発→2007.9.20深夜帰宅
計画 実際の行動・変更点
発時刻 1日目 着時刻
東京駅 23:00 →JR東海道・寝台急行銀河→ 米原駅 05:40 ※踏切事故による1時間遅延のため岐阜06:00下車。
米原駅 06:10 →JR東海道・快速→ 名古屋駅 07:15 ※米原削除。岐阜06:20→名古屋06:45各駅停車。
■名古屋駅にて朝食
名古屋駅 08:11 →JR紀伊本線・特急南紀1号→ 尾鷲駅 10:32
尾鷲駅 10:40 →タクシー→ 道の駅・海山 10:50
道の駅・海山にて昼食・ペットボトルの水を2本購入
道の駅・海山 11:15 熊野古道・馬越峠・徒歩→ 尾鷲駅 15:10 ※天狗倉山頂上断念
尾鷲駅 15:30 →JR紀伊本線・特急南紀5号→ 紀伊勝浦 16:34 ※信号トラブルのため15分遅延。
紀伊勝浦駅周辺で食事
桟橋 18:40 →船(随時運行)→ 浦島 18:50
ホテル浦島にて宿泊
発時刻 2日目 着時刻  
浦島 08:25 →船(随時運行)→ 桟橋 08:35
桟橋 08:40 →徒歩10分→ 尾鷲駅 08:50
尾鷲駅 08:53 →JR紀伊本線・特急スーバーくろしお12号→ 御坊駅 11:08
御坊駅 11:31 →紀州鉄道線→ 西御坊駅 11:41
紀州鉄道とAIRの1シーン
西御坊駅 12:15 →紀州鉄道線→ 御坊駅 12:23
御坊駅 12:29 →JR紀伊本線・各駅停車→ 湯浅駅 12:48
湯浅駅 12:50 →徒歩→ 湯浅醤油本店 13:10
とれたてみったん(本店)
湯浅醤油本店 13:15 →タクシー→ 湯浅醤油国道店 13:20 ※追加
とれたてみったん(国道店) ※追加
湯浅醤油国道店 13:40 →タクシー→ 湯浅駅 13:45 ※追加
湯浅駅 13:48 →JR紀伊本線・各駅停車→ 和歌山駅 14:32
和歌山駅 14:37 →わかやま電鉄貴志川線→ 貴志 15:09
おもちゃ電車とたま駅長に会いに行く
貴志駅 15:49 →わかやま電鉄貴志川線→ 和歌山駅 16:22
和歌山駅 16:47 →特急スーパーくろしお26号→ 天王寺 17:30 ※踏切トラブルによる20分遅延。天王寺改札出ず新大阪に変更。新大阪駅構内で串揚げを食べる。
天王寺 17:40 →JR大阪環状線(外回)→ 新今宮 17:42 ※遅延のため削除
■通天閣周辺で串揚げを食べる ※遅延のため削除
動物園前 19:10 →大阪市営御堂筋線→ 新大阪駅 19:30 ※遅延のため削除
■おみやげ購入  
新大阪駅 19:53 →新幹線・のぞみ46号→ 東京駅 22:30
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