宇都宮特集 栃木県宇都宮市
 
 関東地区の北側、栃木県の中心部・県庁所在地でもある街-「宇都宮」
街といえば日本は何処でも同じ町並みを想像しがちですが、この宇都宮はほんの少し違います。それは、この街に他とは違う歴史があり、その歴史が今に息づいた街であったからなのかもしれません。

それはこの街を少し離れると見えてきます。日本の「木」の文化とはまた違った暖かさのある…そう、ここは大谷石の街なのです。

 

▲旧篠原家住宅
■町を歩けば歴史的建物が出迎える
 JR宇都宮駅西口を出てから、道に沿って右側へ歩いていくと、市指定有形文化財である「旧篠原家住宅」があります。この住宅は、江戸時代から醤油醸造業や肥料商を営んでおり、明治28(1853)年に建てられたもので、黒の漆喰(しっくい)で塗られた店蔵造りです。明治時代の豪商だったんですね。

■醤油の美味しいところに餃子あり??
 醤油のあるところには、何故か餃子の美味しいお店があったりします。それは千葉で有名な醤油の町「野田」で感じたことなんですが、旧篠原家住宅の醤油醸造も関係あるのでしょうか。
 事「餃子」に関してはこちらのほうがなかなかすごい。到着したら、まず腹ごなし??
 宇都宮市は、一世帯あたりの餃子消費額「日本一」の座を守りつづけているそうです。例えば平成9年の数字では一人あたり年額3,855円。なるほど駅を降りたところから、街には「ぎょうざ」の文字を持つ餃子専門店の看板が沢山かかり、またその味も豊富な様です。お店には女性のお客が多いこともなかなかびっくりです。普通、餃子というとなかなか入りにくいところが多いんですが、宇都宮では一人でも気軽に入れるファーストフードのような感覚さえあります。
 
▲全部違う餃子です
 流石にこれだけ店舗が多いと、どの店にどのような味があるのか、旅行者にとっても辛いものがありますが、じつはこの宇都宮では、一つの場所でいろいろな店の餃子が頂けるという嬉しいお店「来らっせ」がありました。種類は曜日で変わるそうです。一人で食べられる量には限界があるので、数人で纏めて注文し、取り皿で分けるのも手ですね。

 我々の注文は、「すいません、この写真に書かれているの全部一皿ずつください〜。」というもの。しかし、全部美味しく完食させていただきました。 薬膳効果の高い癖のある餃子もありますので、皆さん注文のさいにはよ〜く考えてから頼んでみてください。
▲松ヶ峰教会
■大谷石と歴史の町・宇都宮
それは町の中心・JR宇都宮の駅前からもうお出迎えしています。バス停の近く、陸橋の下にある蛙の像。この像も大谷石で作られています。この出口とは逆、東口にも大谷石の像が。

 勿論、この町の歴史は大谷石だけでなく、面白い町の歴史があちこちに点在しています。昔の面影を残す屋敷。そして最古といえば大谷寺洞穴遺跡。そして縄文時代の住居を復元・展示した根古谷台遺跡(古墳)。その幅は広く価値の高いものばかりです。

▲旭町の大イチョウ
■松ヶ峰教会
  大谷石を主眼としして見ると、例えば、JR宇都宮駅から西側、東武宇都宮の近くに松ヶ峰教会があります。ロマネスク様式の本格的な聖堂。北関東では数少ないカトリック教会。聖堂の誕生はプジェ神父があたり、昭和7年完成。この教会も大谷石ならではの優しい色使いと素敵な暖かさがあります。

■旭町の大イチョウ
  東武宇都宮駅より南側 、宇都宮市役所方面に歩いてゆくと市の天然記念物である幹のかなり太い大イチョウの木があります。高さも横のビルを見れば明らかですね。樹高33m、横10mを超える枝をはるこの木の樹齢は300年を越えているのだとか。確かにこの太さなら納得できます。
  もとは宇都宮城三の丸の北西部にあたる土塁内側に植えられていたものだそうで、宇都宮空襲などの大火にも焼けず、木の成長と現代の土地の問題という現代の難問題にも隣のビルの所有者の理解が得られて、新ビルを西側に3mずらすなど、その大木は街の真中にもかかわらずしっかりと守られています。写真はもう冬。残念ながら落葉樹であるイチョウの葉はもう既に落ちてしまっていますが、その勇姿はご覧の通り。今から夏や秋の姿が楽しみです。
▲西口にある蛙の像。
■関東地区では馴染みが深く暖かい石の産地
 関東地区では当たり前のように見られる大谷石。普通の石は冷たく重い感覚があるのですが、この大谷石の石肌はざらざらして所々に穴があり、色はクリーム色に近いため、住宅や石塀、門柱、敷石、石垣 などによく使われています。栃木県宇都宮市から 約8km北にある町「大谷町」がその産地。大谷石はこの町の名前を取ったものだそうです。
▲餃子像

  学術的には「流紋岩質角礫凝灰岩。」関東でよく使われるようになったのは、この他にも石自体の重量がとても軽く、加工がしやすいと言うことで、輸送の負担が減るためなのだとか。住宅地の土留め石としてよく見られるのもこの大谷石だそうです。探してみると近くにありませんか…こんな石。

いや、蛙とか餃子ではなくて( 笑)
 さて、右上の餃子像。『この像は「ギョーザの街・宇都宮」のシンボルとして、餃子の皮に包まれたビーナスをモチーフに地元の大谷石を使って制作したもの(宇都宮観光協会)』などという説明がこの横にありました。なぜビーナスがモチーフなのかが未だに解からないんです。製作者はウケ狙いで作ったのか、純粋な芸術として作ったのか未だに疑問が残る部分もあります。さて、じゃあ蛙は??なんて思った方は多いのでは??。実はこの蛙、私達は餃子像と同じ単なるオブジェで造ったものだと思っていました。しかし、これについては深い意味がありまして、この街では蛙やその文字を多く見かけます。その理由は後の文章を見ていただければ解かると思いますが、ここは謎としておきましょう。
 

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