特集 アトラスタウン〜特集・ストーブ列車と海底駅、函館の旅
 
津軽半島で思い出すのが、青函トンネル。東京・大阪から北海道への寝台では必ず使われるトンネルだ。しかし、この場所は寝ている間に通り過ぎてしまい、記憶に薄い。やはりここはじっくり見ておきたい。 調べてみれば、ストーブ列車も近くを走っているではないか。そう考えるとこの場所はなかなか面白い場所かもしれない。これから冬に向けて暖かい・津軽鉄道のストーブ列車、冬でも暖かい駅・吉岡海底駅と函館を旅する。

■今日という日に別れを告げ…

 日常見慣れた場所から「旅に出た」と感じる瞬間はどのあたりからだろうか。自宅を出た時から。いつもの駅から。ターミナルに立った時から。旅のはじまりは、その人によって違うだろう。上野駅から夜行で行く。寝ている時に目的地までの航程を過ごすといった事も、これを贅沢と呼ぶか、調味料と呼ぶか、それとも時間の無駄と言うかも、人さまざまの筈。しかし、ふと目を覚ましたとき、今どの辺りを走っているのか、カーテンの窓の向こうをちらりと追ってみるこの旅も面白い。

 北へ行く寝台特急と言えば、東京方面から北斗星やカシオペアが有名だが、今回の乗車は上野発青森行き、特急あけぼの。 寝台もB寝台より安い「ゴロンとシート。」寝台の部分はB寝台と同じだが、毛布などの付属は無しとなっている。そのかわり車両は他より暖かくなっているため、自前で「空気枕、耳栓、アイマスク、タオル、バスタオル(毛布の代わり)」を追加用意すればもう十分。ただ空気枕は左右がしっかりホールドされるものを購入すること。タオルは旅行では当たり前のように持つものだが、使い方がちょっと違う。空気が乾燥して喉が痛いと感じたら、洗面所に行き、タオルを濡らし絞ったものを枕元に吊るしておけばかなり緩和される。これは暖房の効いたホテルでもかなり使えるので覚えておいて悪くはない。弁当を食べ、雑談を楽しみ、ビールを飲んでしまえばあとは寝るだけだ。減光された車内に別れを告げ、カーテンを閉める。

 さて、計画表です。今回は少々複雑。今回の目的はストーブ列車、海底駅、函館を2日で巡ります。予想出来る事とは言え、この鉄道の接続の悪さはその地への旅行を容赦なく躊躇させる程。問題となった箇所はストーブ列車の入口となる五所川原駅への接続と吉岡海底駅への入り方。鉄道の本数が少ないだけに気を使うものがあります。

  …なんて偉そうなこと言っても、実のところこの計画は同行したやなせ氏によるもの。その計画と切符の使い方は私には真似の出来ないものでした。
 例えば、一日目の上野・青森・函館は上野-函館の乗車券と上野-青森の寝台特急券を購入、青森駅は途中下車し、レンタカーで走った後、ストーブ列車を堪能し青森に戻ってから函館までを続けるといったもの。つまり、函館駅に着くまでは上野からの切符を手放さないようにする。また、吉岡海底駅への入場は本州側より北海道側で購入すれば安くなるので現地で購入…といった具合。
 また、函館周辺では「市電一日乗車券」と、「市電バス共通一日乗車券」があるのでそれぞれを両日で一枚ずつ使用。例え多少高くても、簡単な地図が付いてきたり、後日旅行の記念となるため積極的に購入しています。


 なお、この計画表2日目午後に関して「時間の許す限り函館見物」とだけ計画し、詳細な計画は立てていませんでした。よって実際には残り時間と自分達の行きたい場所を勘案して決定しています。ここでは行動した結果からおおよその時刻を一緒に記載しましたが、あくまでもやなせ氏と私ほよよんの旅行慣れした行動ですので、この予定を使って自らの行動を考える方は、函館周辺の見物はあまり広範囲に行動せず、なるべく近い場所を数ヶ所選択するなど自分達の行動にあわせて調整してください。
 また注意点として、レンタカーは雪道で使用するために雪道経験者が運転すること、雪が多くなると所要時間が長くなってしまうので乗り継ぎの時刻には十分注意し、間に合わなかったときの計画も立てておくことが肝要です。

2005.11.18夜出発→2005.11.20夜帰宅
発時刻 着時刻
JR上野駅 21:45 →寝台特急あけぼの JR青森駅 09:56
JR青森駅 10:10 →トレンタくん JR五所川原駅 11:20
津軽五所川原駅 11:35 →ストーブ列車(往路) 津軽中里駅 12:24
津軽中里駅 12:45 →ストーブ列車(復路) 津軽五所川原駅 13:34
JR五所川原駅 13:40 →トレンタくん JR青森駅 15:10
JR青森駅 15:22 →特急白鳥11号 JR函館駅 17:31
函館駅前(※1) 18:10 →市電 末広町 18:20
    ■函館公会堂、カトリック教会等のライトアップと金森倉庫で食事
十字街 21:40 →市電 函館駅前 21:50
函館泊
  06:00 ■函館朝市で食事
JR函館駅 08:48 →特急スーパー白鳥14号 JR吉岡海底駅  
    ■吉岡海底駅見学(現地ツアー)
JR吉岡海底駅   →特急白鳥71号 JR函館駅 12:02
    ■昼食
函館駅前(※2) 12:30 →市電 五稜郭公園前 12:50
五稜郭公園前 12:50 →徒歩10分 五稜郭タワー 13:00
    ■五稜郭タワー
五稜郭タワー 13:30 →徒歩10分 五稜郭公園前 13:40
五稜郭公園前 13:40 →市電 湯の川(終点) 13:50
湯の川温泉電停前 14:00 →函館バス(10)(10-6)(112)系統 トラピスチヌ入口 14:10
トラピスチヌ入口 14:10 →徒歩10分 トラピスチヌ修道院 14:20
     ■トラピスチヌ修道院
トラピスチヌ修道院 14:40 →徒歩10分 トラピスチヌ入口 14:50
トラピスチヌ入口 14:50 →函館バス(10)(10-6)(112)系統 湯の川温泉電停前 15:00
湯の川 15:10 →市電 十字街 15:40
    ■日本最古のコンクリート電柱
十字街 16:00 →徒歩10分 ロープウェイ山麓駅 16:10
ロープウェイ山麓駅 16:10 →ロープウェイ ロープウェイ山頂駅 16:20
    ■函館山から夜景
ロープウェイ山頂駅 17:00 →ロープウェイ ロープウェイ山麓駅 17:10
ロープウェイ山麓駅 17:10 →徒歩10分 十字街 17:20
十字街 17:20 →市電 函館駅前 17:30
函館駅前 17:40 →直通バス 函館空港 18:00
函館空港 18:50 →ANA864 羽田空港 20:15
※1)JR函館駅の本屋にて市電一日乗車券を購入、ホテルのチェックインを行った後に乗車
※2)JR函館駅の本屋にて市電バス共通一日乗車券を購入後乗車
■目を覚ませば…

 朝、終点の青森より3時間も前に耳栓をしていても煩いほどの音量で、車掌によるアナウンスが流れる。「皆様おはようございます。只今朝の…」だ。寝台に乗ったことがあればお馴染みのアナウンス。揺れる車内ではかなり寝たほうだが、しかしこの時間、まだ眠い。
  寝入る前に走り抜けた新潟・湯沢では雪が降っていたなと思い出し、外に目をやる。いまはもう既に緯度も高度も違う場所だが、窓に飛び込んできたのはやわらかな雪と冷たく見える厚い雲だった。
■青森に到着

車内販売で購入した駅弁を食べ、窓の外を見ているとまた眠さが襲ってきた。青森駅までにはまだ2時間。折角なので二度寝を敢行。終点のアナウンスを聞いて目覚める。降車の支度を終えると、列車はまもなく青森に到着した。雪が降る青森。太陽の隠れた風は肌を刺す。

 青森や弘前からストーブ列車目的に効率的に鉄道を乗り継ぐのは難しい。奥羽本線、五能線、津軽鉄道それぞれの接続が上手く出来ないのだ。この他に高速バスで五所川原までといった方法もあるが、これもストーブ列車目当てで計画を立てようとすると接続できなかったりと難儀する。
■レンタカーで五所川原に向かう

 そこで、ここ青森駅からはレンタカーの出番だ。「レール&レンタカー」として上野-函館間の切符、上野-青森間のあけぼの寝台と青森駅からのJRレンタカーを予約しておき、同時にJR五所川原駅に駐車のお願いをしていた。JR五所川原駅から快諾をいただき、敷地奥の駐車場に停める。JRレンタカーを選択したのはこのためでもある。

 駅を出て国道7号を南に、そのまま右に折れ国道101号を西に。道に雪が無ければ青森を出て一時間位で五所川原の駅に到着する。鉄道で青森から五所川原まで行くと、かなりの距離南下する大回りのコースになってしまうが、車で行けばこの部分をショートカットするコースとなる。
 写真はJR五所川原駅奥の駐車場使用手続き (ダッシュボードに置く駐車許可証受け取り) のため、駅前に一時駐車したときのもの。
 
【ストーブ列車】 【函館ライトアップ】 【函館の朝】 【吉岡海底駅】 【五稜郭】 【トラピスチヌ修道院】 【函館山へ】
 Copyright© 2001-2006 AtlasTown All rights reserved. 写真文章の無断使用・複製を禁じます